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Professional Medical Guide

間脳下垂体外科

私どもの施設では、下記の腫瘍を中心とした脳腫瘍に対し、神経内視鏡を使用した最先端の手術加療を行っております。

  • 下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう):下垂体腺腫、ラトケ嚢胞、など
  • 頭蓋底腫瘍(ずがいていしゅよう):頭蓋咽頭腫、鞍結節部髄膜腫、斜台部脊索腫、など

この領域の治療は、当科主任教授の吉野篤緒が最も得意とする分野のひとつであり、今までに500例以上の手術件数をこなして参りました。神経内視鏡の導入に伴い、2010年からは全ての下垂体腫瘍および一部の頭蓋底腫瘍に対し神経内視鏡を用いた経鼻的手術を第一選択として手術加療を行っております(神経内視鏡下経鼻的手術)。

神経内視鏡下経鼻的手術とは、文字通り、鼻の穴から頭蓋内の腫瘍に到達し、摘出してくる手術です。かつて全ての脳腫瘍は開頭手術により摘出されていましたが、神経内視鏡の開発により一部の脳腫瘍は開頭することなく鼻腔内から摘出することが可能になりました。私どもの施設でも本術式を導入し、頭に傷が残らないという整容面の向上は勿論、低侵襲かつ安全な手術を行っております。

術前MRI画像

術前MRI画像

術後MRI画像

術後MRI画像

私どもの施設における神経内視鏡下経鼻的手術には以下の様な特徴がございます。

特徴

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    片側の鼻腔のみを経由して手術を行う。
    特殊な腫瘍を除き、片鼻のみを経由して手術を行うことで、低侵襲な手術を行っております。この術式には術後疼痛を減らすことができるという利点もございます。

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    鼻粘膜を温存する。
    特殊な腫瘍を除き、鼻中隔粘膜下に手術を行い、鼻粘膜を温存しております。術後に鼻腔内の粘膜を整復することで、術後の鼻内不快感を減らすことができます。

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    私どもの施設では、日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医が経鼻内視鏡手術を行います。全ての当該手術が当該領域の専門家である同一術者(チーム)により行われることも大きな特徴です。

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    私どもの施設には内分泌内科や眼科、耳鼻咽喉科、歯科など関連する専門科が揃っており、術前後に最適なケアをご提供することが可能です。

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    私どもの施設では、患者様の安全を何よりも重視して治療を計画しております。むやみに手術をお勧めすることはせず、経過観察や薬物治療、放射線治療など様々な選択肢の中から患者様にとって最も適した治療方法を常に考え、不必要な手術を極力減らしております。また、術中も摘出率に固執することなく、患者様の背景や腫瘍の性格を見極め、安全を最優先して手術を行っております。

以下に代表的な疾患につき解説いたします( 脳腫瘍外科の頁もご参照下さい)。

下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)【pituitary adenoma】

下垂体から発生する良性腫瘍です。下垂体は、脳から垂れ下がるようにして頭の中心に存在する臓器であり、ホルモン産生の中枢としての役割を担っています。下垂体腺腫が各種ホルモン(成長ホルモン、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性ホルモン)を過剰に分泌することで、様々な症状を引き起こします。また、下垂体の傍を視神経が通ることから、視野視力障害の原因にもなります。私どもの施設では、神経内視鏡を使用した経鼻的なアプローチにより、低侵襲で安全な腫瘍摘出術を行なっております(内視鏡下経蝶形骨手術)。この治療方法には、ハイビジョンカメラ搭載型神経内視鏡やニューロナビゲーションシステム、内視鏡支持器など様々な特殊機械が必要であり、全国でも限られた施設でしか行うことができません。私どもの施設では今までに多数の内視鏡下経蝶形骨手術を行なっており、良好な治療成績を上げて参りました。内分泌内科や眼科、耳鼻咽喉科、歯科など関連する専門科が揃っていることも大きな強みになっております。

頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)【craniopharyngioma】

下垂体近傍に発生する腫瘍です。胎児期の遺残組織が腫瘍化したものと考えられています。良性腫瘍ではありますが、再発率が高く、周囲の脳や血管に癒着するため治療に難渋することの多い腫瘍です。下垂体腺腫同様、傍に視神経が通っており、視野視力障害の原因になります。また、腫瘍が正常下垂体を圧迫すると、ホルモン分泌障害(汎下垂体機能低下症)を合併します。巨大化した際には脳内の水(髄液)の通り道を塞ぐことで水頭症を引き起こし、致命的になることもあります。
頭蓋咽頭腫の手術加療を計画する際には、開頭手術および経鼻内視鏡手術のどちらを選択するかが極めて重要になります。腫瘍の局在部位や周辺構造物からどちらの手術がより安全であるかを見極める必要がございます。私どもの施設では、開頭手術、経鼻内視鏡手術のいずれにおいてもそれぞれ専門医師を有しており、綿密な話し合いの下で最適な治療方法をご提示することが可能です。

髄膜腫(ずいまくしゅ)【meningioma】

脳を覆う髄膜より発生する腫瘍です。髄膜のある箇所であれば頭蓋内のあらゆる部位に発生し得ます。前頭蓋底の髄膜腫、特に鞍結節部髄膜腫は経鼻的に摘出できる可能性がございます。
前頭蓋底部髄膜腫の手術加療を計画する際には、開頭手術および経鼻内視鏡手術のどちらを選択するかが極めて重要になります。腫瘍の局在部位や周辺構造物からどちらの手術がより安全であるかを極める必要がございます。私どもの施設では、開頭手術、経鼻内視鏡手術のいずれにおいてもそれぞれ専門医師を有しており、綿密な話し合いの下で最適な治療方法をご提示することが可能です。

斜台部腫瘍(しゃたいぶしゅよう)【clivus tumor】

斜台部とは、脊髄・脳幹の前上方の箇所であり、開頭手術を行う際には頭蓋内で最も深い位置に相当するため到達が困難な部位です。私どもの施設では、斜台部に発生する腫瘍(主に脊索腫)に対する経鼻的手術も行っております。局在的に全摘出が困難(危険)な場合には、手術により摘出した腫瘍組織から病理学的に診断をつけ、ガンマナイフ治療を始めとした放射線治療を計画することも可能です。ガンマナイフ治療とは、通常の放射線治療に比べ、正常脳への影響が少なく、高い治療効果が期待できる定位的放射線治療のひとつです。

患者様へ

好き好んで手術を受けたいと思われる方はいません。それは私ども治療者にとっても同じことです。そのため、私どもの施設では可能な限り手術以外の治療方法を模索・ご提案いたします。しかし、脳腫瘍には手術をしなければ治癒し得ないものが多数存在し、当該領域の腫瘍も多くが該当いたします。そして、治療しなければ致命的なものを含む様々な合併症を引き起こすのが当該腫瘍の特徴です。私どもは常に低侵襲かつ安全な手術手技を追求し、何より術前後の徹底したケアを通して患者様一人一人にご満足頂ける治療をご提供できるよう、日々切磋琢磨しております。まずは、下記専門外来までご相談ください。他院からのご紹介やセカンドオピニオンも随時お受けしております。

間脳下垂体外科専門医師外来(脳神経外科)

【日本大学医学部附属板橋病院】

金曜日(午前):吉野 篤緒(主任教授・部長)

土曜日(午前):山室 俊(神経内視鏡技術認定医)

【日本大学病院(駿河台)】

木曜日(午前):吉野 篤緒

  • ご受診される際は、休診日等を脳神経外科外来までお電話でご確認下さいますようお願い申し上げます。